症例は3歳の柴犬です。
右眼が1ヶ月半ほど充血し、目ヤニが出るとのことでセカンドオピニオンとして来院されました。
当院で詳しく眼科検査をしたところ、角膜表面に白色の線虫が認められました。角膜には傷ができており、結膜や瞬膜は重度に炎症を起こしていました。まぶたも腫れています。
診断:東洋眼虫症
寄生犬の涙から虫卵をハエが媒介して、仔虫の状態で他の犬の眼に感染させていくようです。
治療はまず感染している虫体を摘出します。点眼麻酔をして4匹の虫体を物理的に除去しました。見えない仔虫や虫卵などを駆虫していくために駆虫剤の飲み薬を使用しました。後は通常の角膜保護や抗生物質、消炎剤の点眼薬を使い、眼の状態を正常に戻していきます。
約2週間で充血や目ヤニなどはおちつき、虫体も認められませんでした。
今回の症例は比較的珍しい寄生虫が原因でした。治らないには必ず何か理由が隠れているはずです。
当院は眼科に力を入れて診療しております。気になることがあれば何でもご相談ください!!
よろしくお願いいたします。
僕はいつも旭区のお池公園で散歩しているサンタです
今日は病院に来て緊張しています
でもかゆかった眼が良くなったので
散歩も楽しいです
と
言ってました
こんにちは!サンタちゃんお目々の違和感なくなってすっきりして良かったです。
また変わったことがあればいつでもご相談ください。
よろしくお願いいたします。
うちの犬にも、この虫がいます。
5年前捨て犬の時から調子が悪く、
動物病院も3件周りましたが、この目の症状を知らず、1件、物理的にピンセットで取って来れた先生がいましたが、とってもとってもまたいるらしいのです。こんな調子で良いのかと不安しかありません。駆虫剤の名称や処置方法を教えてください
診察してもらいたいくらいなのですが、こちら愛媛県なので、ちょっと難しいです。どうか宜しくお願いします。
ちなみにネクスガードは毎月飲ませています。効かないとは思いますが。
橋本様、コメントありがとうございます。東洋眼虫寄生の対処としてまず大事なことは物理的に確認できる虫体をしっかり摘出することです。当院では局所麻酔薬であるベノキシール点眼5分後に綿棒を使用し肉眼的に確認できる虫体を絡めて取っていきます。また、瞬膜の内側や結膜の奥の方にも潜んでいることがありますので、生理食塩水やオゾン水によりしっかり洗浄すると浮いてきて角膜表面に出てきます。一度の処置ではすべて取り切れないこともありますので1週間毎くらいで何度か継続します。同時に角膜の傷害があるようであれば点眼によりケアをしていきます。寄生虫の駆除薬に関しては100%の駆虫効果は期待できないですが、3-4週毎のイベルメクチンやモキシデクチン、セラメクチンなどが使われます。最後に再感染を予防することも大切ですので中間宿主であるハエとの接触を極力避ける生活を心がけてください。
本人を直接診察したわけではありませんので一つの参考意見ととらえてください。早く愛犬ちゃんの眼が良くなることを願っております。何卒よろしくお願いいたします。