症例は17歳の雌の白猫ちゃんです。
左耳にできものがあり、約1年経過をみていたが、気にして掻くことが増えてひどく出血してくるため手術をしてほしいとのことで来院されました。できものは徐々に大きくなり、耳介部分はひどく炎症や潰瘍が起き、一部欠損している状態でした。
かなり高齢の猫ちゃんで腎臓病も持っているため麻酔管理には十分注意して、できるだけ短時間ですむように手術を実施していきました。正常な組織も1cm程確保し切除しました。出血をコントロールし、きれいに皮膚を縫い合わせて終了です。
病理検査の結果は、耳介の扁平上皮癌でした。外科的マージンはクリアーで、腫瘍細胞の脈管内の浸潤も認められませんでした。今後も経過観察が必要ですが良好な予後が期待できます。
猫の皮膚に発生する扁平上皮癌は紫外線照射と関連性が高いと言われています。さらに白毛の猫は他の毛色の猫と比較して13倍程発生リスクが高いと考えられています。お外に出る猫ちゃんは要注意です。
約10ヶ月経過しますが再発なく元気に過ごせています。
変わったことがあればいつでもご相談ください!ストレスなく長生きできるようサポートしていければと思います。
よろしくお願いいたします!!