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犬の膀胱結石

症例は7歳のトイプードル去勢オスです。血尿と頻尿を主訴に来院されました。超音波検査にて、膀胱内に結石陰影が2つ確認されました。また、尿検査にて、シュウ酸カルシウムの結晶が認められました。

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診断:膀胱結石、シュウ酸カルシウム結石疑い

シュウ酸カルシウムの場合はフードによる溶解が困難なため、外科的に摘出することが勧められます。本症例も手術を実施していきました。

まず下腹部正中切開し膀胱にアプローチします。体腔外へ牽引し、湿ガーゼで周囲を覆います。

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膀胱にメスで小切開を加え、膀胱結石を摘出します。

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ペニスから挿入しているカテーテルより生理食塩水をフラッシュすることで尿道や膀胱内に結石が残っていないことを確認します。その後、丁寧に膀胱壁を2層内反縫合していきます。

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一度膀胱を膨らませ、縫合した部分に漏れがないことを確認し、定法通り閉腹し終了としました。

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結石分析:シュウ酸カルシウム98%(表面がゴツゴツしているのが特徴的です)

術後約2日間は尿道カテーテルを入れて、尿が自動的に出るようにし、膀胱に負荷がかからないように管理していきました。その後、カテーテルを抜去し、自力で排尿できたことを確認し退院としました。

 

2週間後の抜糸時には元気も食欲も問題なく、頻尿も血尿もなくなりスムーズにおしっこできていますとのお言葉を頂けました。

膀胱結石は頻尿や血尿、大きさによっては尿道閉塞を引き起こし緊急的な状態になるリスクを秘めています。飼い主様が排尿の違和感に気づき早期に治療出来たことでスムーズに回復できたと考えられます。

 

愛犬・愛猫ちゃんの排尿に変わったことがあれば、お気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。