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猫の膀胱結石

症例は2才雌のマンチカンです。最近頻尿と血尿があるとのことで来院されました。

レントゲン検査および超音波検査、尿検査を実施ししました。腹部レントゲン検査にて、膀胱内に細かい結石陰影が多数認められました。

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診断:膀胱結石(シュウ酸カルシウム疑い)

雌猫で尿道は比較的広く、結石も2-3mmの細かいものであったため、1ヶ月間はフードにより尿量を増やし結石が排出されるかみてみました。しかし、全く排出はみられず症状も続いていたため、外科的摘出を実施していきました。

 

腹部正中切開にてアプローチし、膀胱を体腔外へ牽引して保持します。膀胱へ小切開を加え、前もって入れておいた尿道カテーテルから生理食塩水をフラッシュし結石を摘出していきます。

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結石が全て摘出できたら、粘膜の2層縫合にて膀胱を閉鎖していきます。縫った後は漏れがないか(リークチェック)を確認して終了です。

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摘出した結石は小さいですがトゲトゲしており、刺激や出血の原因となり、自然と排出するのは難しかったと思われます。

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結石分析の結果は、“シュウ酸カルシウム98%以上”でした。

 

シュウ酸カルシウム結石は溶けない石です。腎臓や尿管に出来た場合はとても治療が難しい厄介なものです。今回の症例は膀胱にできたものだったためスムーズに摘出でき症状も完治することが出来ました。ただ体質として結石が出来やすいためフードによる予防を続けて、定期的な検診を行なっていく必要があります。

愛犬・愛猫ちゃんに気になることがあれば何でもお気軽にご相談下さい!!よろしくお願いいたします。