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犬の角膜炎

症例は13歳のマルチーズです。

左眼の黒目のところに出血がある!?、しょぼしょぼしている、とのことで来院されました。

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眼科検査にて、角膜内側(9-10時方向)に中央に白濁を伴う大きめの出血斑と結膜から伸びる血管新生、外側(5時方向)に白濁および血管新生が認められました。角膜に傷はなく、眼圧は正常で、眼内の炎症や水晶体の異常などは認められませんでした。

診断:角膜炎、炎症性の血管新生

 

この円形の出血斑を伴う角膜炎は通常の抗生物質や消炎剤の点眼では治りが悪いことが多いです。本症例も1週間は感染ケアを行いましたが改善しませんでした。何らかの免疫異常が関与しているのかもしれませんが詳細は分かっていません。

ただ、ステロイド系の点眼薬を使用することで時間はかかりますがゆっくり良化していきます。角膜に傷がないことを確認し、本症例はステロップ点眼を1日3-4回で使用していきました。

〔1週間後〕しょぼつきはなくなり、赤みが引いてきました。

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〔1-2ヶ月後〕キレイに治癒しています。点眼薬は徐々に回数を減らしていきます。

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本症例は一度点眼を切って経過をみてみましたが、点眼をやめて1ヶ月くらいで同様の所見が同じ部位に出てきたため、角膜炎の再発ととらえ、再度点眼薬をスタートしました。現在は1日1-2回のステロップおよびヒアルロンNa酸点眼によりきれいな状態を維持できています。

愛犬・愛猫ちゃんの目に変わったことがあれば何でもお気軽にご相談ください。よろしくお願い致します。