症例は9歳のシェルティです。ここ数日間、左前足をずっと舐めているとのことで来院されました。
身体検査にて、左前肢趾間の皮膚が赤く腫れあがっており、中から血混じりの膿が排出していました。丁寧に観察し、軽い圧迫を加え中の膿をできる限り排出させる処置を行ったところ、中から植物のノギが出てきました。細胞診検査では、好中球の集塊が確認されました。
診断:ノギ迷入による皮下膿瘍
このノギは一般的に外に生えている植物で、かなりやっかいなことを引き起こすことがあります。今回の症例のように皮下に入り込んで慢性的な感染・炎症を引き起こしたり、耳の中に入り込んでなかなか取れなくなり強い痛みや外耳炎を起こしたり、眼の裏に入り込んで角膜や結膜を障害したり、と様々な原因となり得ます。
草むらが好きなわんちゃんは要注意ですね。散歩後からの急な皮膚・耳・眼の症状があればノギの関与があるかもしれません。
愛犬・愛猫ちゃんに変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願い致します。