来夢

症例紹介 犬の椎間板ヘルニア(内科治療)

症例は7歳のミニチュアダックスフンドです。

つい1時間前にキャンと鳴いた後から後ろ脚をひきずっており、あまり動こうとしないとの主訴で来院されました。身体検査にて両後肢の動きが悪く(不全麻痺)、背中の痛み(背弯姿勢)が認められました。ただ、自力で動かすこと(随意運動)はできていました。レントゲンでは背骨に大きな異常は見当たらず、診断は椎間板ヘルニアグレードⅡ-Ⅲと診断しました。

 

犬の椎間板ヘルニアはほんとに突発的に起こります。また、ダックスフンドは約2歳までに椎間板(骨と骨の間のクッション材)が軟骨化し固くなる犬種で、椎間板ヘルニアのリスクが高いことは有名なお話です。椎間板ヘルニアはグレードⅠ-Ⅴに分類されます。

グレードⅠ:痛みのみ、震えや動きたがらない                                                      グレードⅡ:不全麻痺(歩行はできる)                                                       グレードⅢ:不全~全麻痺(歩行もできない)                                                    グレードⅣ:全麻痺、自力排尿可or不可、足の痛み(痛覚)はあり                                                                 グレードⅤ:全麻痺、自力排尿不可、足の痛覚の消失

グレードⅣ-Ⅴの高いものは外科的治療が早期に必要になってきます。

 

本症例はグレードⅡ-Ⅲということで、内科的に治療をしていきます。まず大事なのは絶対安静です。できる限り最低限の行動で済むように生活していきます。ケージ内(決まったスペース)で食事、排泄、睡眠などできるようにします。おしっこ、うんちが外でしかしない子は少しだけ歩かせ、排泄が終わったらすぐに抱っこしておしまいにします。この安静の生活が約1ヶ月くらい必要になります。痛み止めの注射やビタミン剤の飲み薬などは使用しますが、最も重要なのは安静になりますので、ご家族の協力が重要となります。

来夢

今回は内科治療によく反応し、ご家族の協力もあり順調に回復し、約2週間後にはいつも通りに歩いたり、小走りしたりできるようになりました。もうしばらく安静の継続をしてもらい治療はいったん終了となります。ただ今後も同じようなことを起こすリスクがありますので、できる限り段差の上り下りなどは避けてもらうように注意して生活していくことになります。

変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします。