緑内障とは眼の水圧(=眼圧)が異常に上昇する病気です。眼圧が上昇してしまうと眼の奥にある網膜の神経細胞や、視神経といった組織が傷害を受け視覚が消失してしまいます。眼圧の高い状況が24-72時間持続すると視覚消失に至ると言われてれいるため、緑内障は緊急疾患となります。
原発的な緑内障は犬種素因が知られており、日本では柴犬やプードル、ダックスフンド、シーズーなどが多いです。二次的に発生する緑内障の原因は白内障やブドウ膜炎、水晶体脱臼、眼内腫瘍などが挙げられます。猫ちゃんの緑内障は殆どが二次的です。
症状は眼が赤い(結膜・強膜の充血)、しょぼつく(羞明)、角膜が白く濁る(角膜浮腫)、ぶつかる、慢性化すると眼が大きくなってきます(牛眼)。人では眼圧が上がると頭痛などがひどく出ることもあるようです。犬は片眼の視覚消失では比較的ぶつかることなく上手に歩いてしまうこともあり、発見が遅れてしまうことも多いです。
早期発見でき視覚がある眼に対しては、点眼による眼圧コントロールを行っていきます。状況によっては点眼を数種類必要とすることもあります。また、長期管理していくと点眼だけでは眼圧がコントロールされなくなってくることもあり、眼内にシャントチューブを挿入する手術や、毛様体凝固術などの外科的処置が必要になることもあります。
残念ながら視覚を失ってしまった眼に対しては、疼痛や不快感からの解放を目的にシリコンボール義眼挿入術(ISP)が奨められます。緑内障の眼を残しておくと眼がどんどん大きくなり(牛眼)、痛みや二次的な角膜の損傷などを起こしてしまいます。そういったストレスからの解放、点眼の手間や経済的負担からの解放、美容的な面からもISPを行っていきます。
当院は眼科に力を入れております。セカンドオピニオンも受け付けております。必要な治療方針をご提案させていただきます。
眼の異常にきづいたらお早めにご相談ください!!よろしくお願い致します。
はじめまして。突然のコメント申し訳ありません。
トイプードル10歳が白内障の手術後、緑内障になってしまいました。シャント手術をすすめられているのですが、手術された方によると最手術を繰り返されているようで、手術するべきか悩んでいます。
視力がある場合はシャント手術をしたほうが良いのでしょうか?このまま視力を失う事は辛いですが
手術を繰り返すストレスのほうが犬にとって辛いのでは、、と踏み切れません。ちなみに片目は白内障気味ですが見えています。
コメントありがとうございます。
トイプードルちゃんの眼のご相談ですが、なかなかどちらが正しいとは言いがたいと思います。
視覚を残すためにはシャント手術が適応となりますが、確かにシャントチューブの閉塞による再発率も低くはないため、緑内障を繰り返すことも考えられます。色んな点眼薬があり眼圧コントロールする事で視覚を維持出来るかもしれません。
最終的に義眼手術を行う症例もいるでしょうが、基本的に視覚のない眼に対して行う手術と考えるためなんとか視覚を維持しようとするのが獣医師の考えかと思います。
ラストアイではないため(逆眼はみえている)、痛みや麻酔・手術のストレスから解放してあげたいとの考え方も理解できます。しっかりかかりつけ医さんと相談して、納得いく治療を行ってあげて下さい。どちらをとっても間違いではないと思いますよ。お大事にして下さい。よろしくお願いいたします。
はじめまして。突然のコメントを失礼致します。猫の眼病を検索していてこちらに辿り着きました。
当初、緑内障との診断で眼圧を下げる点眼治療をしていましたが、動物眼科病院で瀰漫性虹彩メラノーマと診断された高齢猫(19歳)です。
眼球摘出手術には耐えられない可能性が高いということで、現在治療法がなく、2週間有効な抗菌抗生物質の注射をして帰ってきました。
毎日、血や病巣(?)の黒いタールのようなものが混じった涙を拭きとっていますが、先程、目を強く手で擦って大出血をしました。黒いタールのような塊も取れて、その中に水晶体が一緒に交じっていました。痛みや貧血、感染などが心配です。
本日かかりつけ医に連れていきますが、今後考えられる治療法として、何がありますでしょうか?
抗生物質の注射を継続していいのでしょうか。
また点眼液など継続して使用していいものがありましたら教えていただけますでしょうか。
よろしくお願い致します。
こんにちは。コメントありがとうございます。
高齢の愛猫ちゃんなのですね。手術に耐えられないとのことですが主なリスク要因は何でしょうか?腎臓など悪くなっていることが予想されますが、現在の眼の状態を考えると外科的に摘出してあげることが第一に奨められると思います。水晶体も出てきてしまっているのであれば、角膜に穴が空いており感染や疼痛などが懸念され、眼球を温存することはなかなか難しいと思われます。できるだけ腎臓に負担の少ない麻酔を検討し、短時間で手術を済ませるよう処置を行っていくことを検討します。
どうしても麻酔のリスクが高く外科不可能であれば、積極的な抗生剤の治療(現在の注射や点眼薬)を続けていくしかないと思われます。抗生剤の内服や点眼薬の種類はたくさんありますのでご相談してみて下さい。疼痛緩和としては鎮痛薬の内服や坐薬などを使用することがあります。
しっかりとかかりつけさん、眼科専門医さんと相談しご家族の納得いく治療を考えてあげて下さい。本人の状態を診察したわけではありませんので一つの参考意見と捉えて下さい。よろしくお願いいたします。
13歳のコッカースパニエルです
緑内障と診断され点眼で眼圧降下を目指していましたが、残念ながら両目とも失明してしまいました。
かかりつけ医はこれからは痛みの緩和をしていくと言いますが、私には痛がっているように思えません。食欲はありますし、外出したがります。点眼のときに眼を触っても嫌がる様子もなく、疼痛コントロールの治療が必要なのか、わかりません
もし飲み薬の痛み止めをつかうなら非ステロイド系の鎮痛剤をのませるのでしょうか?
なお、心臓疾患があり麻酔はかけられないレベルの収縮率だといわれています
はなこさん
コメントありがとうございます。犬の慢性化した緑内障で、すでに失明をしている場合、確かに疼痛という観点からいうと臨床症状をさほど示さないわんちゃんも多いです。なので痛み止めに関していえば、日常生活に支障がでていないのであれば必要はないかもしれません。当院も内服での鎮痛剤までは処方しないことが多いです。ただ、シリコンボール義眼などで外科的に対処をするともっと元気になったとお言葉を頂くこともあります。
手術が難しい状況ですので牛眼(眼球の巨大化)になることを防ぐために少しでも眼圧を下げるような目薬を使っていくことは必要になると思います。牛眼になってしまうと眼の表面が乾燥したり傷つけやすくなったりその他の問題が発生してきます。しっかりかかりつけの先生と相談し、眼のストレスが少なく生活できるようサポートしてあげて下さい。
あくまで本人の状態を診察したわけではありませんので一つの参考意見ととらえてください。何卒よろしくお願いいたします。