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犬の卵巣嚢胞

症例は10歳未避妊雌の柴犬です。発情が長く続いているのと主訴で来院されました。

身体検査では陰部より薄い血混じりの漿液の排出がみられ、腹部超音波検査では左右の卵巣に多数の嚢胞状病変を伴う腫大が認められました。

(画像:左卵巣/右卵巣)

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臨床診断:卵巣の腫瘤性病変、それに伴う不整発情

飼い主様と相談し、外科的切除を実施していきました。開腹して確認したところ、左は3㎝大、右は5㎝大に腫大した卵巣を認めました。しっかり取りきれるように卵巣および子宮を一緒に切除していきました。

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術後は問題なく、元気に生活できるようになりました。

 

〔病理組織検査〕

卵巣:両側性の卵巣嚢胞

子宮:子宮内膜過形成

どちらも非腫瘍性の病変ですので摘出後の予後は良好です。卵巣の異常により子宮内膜過形成が発生し、続発的に子宮蓄膿症などにつながることがあるため早期の外科切除は適切だったと考えられます。

 

若齢期の去勢手術や避妊手術は一部の腫瘍性疾患の発生を予防する利点があります。高齢になるにつれて生殖器の病気や腫瘍も増える傾向にあります。

愛犬・愛猫ちゃんに気になる症状があればなんでもお気軽にご相談ください。よろしくお願い致します。