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犬の角膜上皮びらん(SCCEDs)

症例は9歳のトイプードルです。昨日からの左眼のしょぼつきで来院されました。

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フルオレセイン染色検査にて、角膜に潰瘍ができていましたので抗生物質とヒアルロン酸の点眼薬にて治療を実施しました。しかし、5日経ってもしょぼついたままで治っていませんでした。

詳しく眼科検査をしたところ、角膜の上皮が剥がれて浮いており、びらん部分は軽くこすっただけで拡がっていく状態にありました。

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診断:難治性角膜上皮びらん(SCCEDs)

遺伝的な要因で角膜の上皮が浮いたままでしっかり接着しないことにより、傷が全然治癒していかない状態となります。一度綿棒にて浮いている角膜を剥げるだけ剥いで内科的に数日みましたが、やはり治癒せず外科的処置を行っていくこととなりました。

 

びらん部よりも一周り広い範囲で角膜に格子状に切開を加えていきます。再生する角膜の足場を作ってあげる処置になります。

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一時的に角膜にわざと傷をつける処置になるため痛みを伴います。外界と遮断しておくために瞬膜で眼の表面を覆っておく処置をして終了としました。覆っておくことで角膜表面が常時潤っている状態を作ることができ、痛みの緩和や治癒促進につなげることができます。

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術後1か月経つ頃には一部格子状の切開跡(白)が残りますが、しょぼつきや痛みは全くなく治癒に向かっています。あとはゆっくりきれいになっていきますのでヒアルロン酸点眼のみもう少し継続することになります。

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治らない角膜潰瘍は何らかの要因が隠れています。この難治性角膜上皮びらんであれば外科的な対応が必要になることが多いです。また、遺伝的なものであり時間をおいて逆眼にでることもある疾患です。

愛犬・愛猫ちゃんの眼に違和感があればなんでもお気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。