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症例紹介 犬の会陰ヘルニア

症例は7歳のミニチュアダックスフンドです。

お尻が腫れて便が出ずらいとのことで来院されました。身体検査、直腸検査、およびレントゲン検査にて会陰ヘルニアと診断しました。左側の方が重度でカチカチに固まった便が大量に蓄積していました。

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会陰ヘルニアは中~高齢の去勢をしていない犬に多く認められる疾患です。好発犬種としてダックスフンドやコーギー、チワワなどがあげられます。病態としては、直腸を支持している筋肉が萎縮しスペース(ヘルニア孔)ができ、そこに骨盤腔内の臓器や腹腔内の臓器が会陰部の皮下に脱出(ヘルニア)します。直腸が脱出すると便が正常に排出できず、水分が吸収されて固くなった宿便が大量にたまります。また、膀胱が脱出すると排尿障害が起き、緊急な状態となることもあります。会陰ヘルニアは放っておくと致死的な状態を招く恐れがあり、早めに外科的整復が必要な疾患です。

 

本症例は直腸脱出の会陰ヘルニアでした。飼い主様にしっかりインフォームドコンセントをし、早期に外科的整復を実施していくこととしました。

手術の内容はまず”去勢手術”を行います。これは男性ホルモンの影響が会陰ヘルニアの発生に大きく関与していると考えられているからです。その後、飛び出して伸び切っている直腸をお腹側から牽引し、腹壁に固定する”直腸固定”を実施しました。

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そして、”会陰ヘルニアの整復”を実施していきます。内部を確認すると、ヘルニア孔は大きく、筋肉は重度に萎縮していました。整復の手段として、本症例は左右ともポリプロピレンメッシュを使用しました。4方向の筋肉や骨膜、仙結節靭帯にしっかり固定することでスペースを埋めていきました。

IMG_0493(左側)  IMG_0502(右側)

IMG_0472(術前)  IMG_0504(術後)

ヘルニア部はきれいに整復されました。経過はとても順調で、術後2日で退院できました。退院後も元気食欲と問題なく、便も良便が毎日スムーズに出るようになったとのお言葉をいただいております。お腹の抜糸時には元気な姿そして、院内でスムーズな排便状況をみせてくれました!!

IMG_3578(術後18日)IMG_0473

 

排尿、排便のストレスはとても大きいものと考えます。毎日健康でストレスのない生活を心がけていきましょう!!

変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします。