症例は10歳のスタンダードプードルです。
下痢で来院された際に、超音波検査にて偶発的に脾臓に3㎝大のできものが見つかりました。脾臓のできものは良性であれ、悪性であれお腹の中で急性に破裂して出血するリスクを秘めています。
飼い主様と相談し、出血のリスクをゼロにするため、腫瘤の診断をするために外科的切除を行っていきました。脾臓に出入りする血管を丁寧に処理し、脾臓ごと腫瘤を摘出しました。
病理組織検査の結果は、良性の結節性過形成でした。今回実施した切除により、腫瘤から起こるかもしれない破裂および腹腔内出血を防ぐことができたと考えられます。
術後翌日には退院し、自宅でもいつも通り食欲もあり、2週間後の抜糸の際には元気な姿をみせてくれました。できものは良性でしたので治療は終了となります!!
脾臓のできものはなかなか症状を出しません。定期的な検診により早期発見をし、破裂・出血をする前に対処することが治療の第一歩となります。
気になることがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします!
はじめましてうちのジャックラッセルテリア13歳オス せんだて健康診断で脾臓に複数の5ミリ位の出来物の様なものが複数ある事が判明しました。元気は良く体重も変わりありません。どんな病気が考えられますか?
小野さま、コメントありがとうございます。
脾臓に小結節が複数あるとのことですが、大きく分けて良性のものか悪性のものです。良性であれば多くは結節性過形成(正常組織の過剰な増殖)です。まれに巨大化する血腫などもありますが切除して病理検査が必要になります。悪性のものは血管肉腫や肥満細胞腫、リンパ腫などが挙げられますが短期的に進行してくる(巨大化する)ものが多いです。びまん性(全体的に)に広がって脾臓全体が腫脹していくタイプもあるため注意が必要です。脾臓のできものは大きくなってくると良性であれ、悪性であれ破裂して出血するリスクがあります。
現状5mmの結節で体調に変化はないとのことなので血液検査などその他の検査でも異常がなければ、大きくなってこないか超音波検査で経過観察を行っていくことが妥当なとこかと思います。今後の経過で大きくなってくるならかかりつけの先生と切除を考慮し相談していくと良いと思います。
あくまで本人の状態を診察したわけではありませんので、一つの参考意見としてください。よろしくお願い致します。