”血管肉腫”は血管内皮由来の悪性腫瘍で、中年齢~高齢の犬で多く認められます。大型犬で比較的多く認められると言われています。発生の多くは脾臓で、その他肝臓や心臓、皮膚、肺などにも認められることがあります。
脾臓にできものがある場合、約半数が血腫や過形成といった良性病変であり、残りの半数が悪性腫瘍で、そのうちの6割くらいは血管肉腫であるともいわれています。脾臓のできものは良性であれ、悪性であれ、急に破裂してお腹の中で出血する恐れがあります。よって破裂する前に脾臓ごと摘出することが推奨されます。診断の確定は摘出した組織を病理検査することで行っていきます。
病理検査にて、血管肉腫と診断された場合、予後は極めて悪いです。摘出手術のみでは数か月、術後に抗がん剤などの化学療法を行って約半年と言われており、教科書的には術後の1年生存率は10%以下です。
化学療法により生存期間の延長は期待できますが、再発や転移を完全に抑えられるわけではありません。よって術後の治療方針はご家族としっかり相談したうえで決めていく必要性があります。最近は、化学療法に加えた免疫療法の研究もはじまっています。
なかなか難しい腫瘍の一つですが、ご家族が少しでも笑顔で過ごせるよう全力でサポートさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
2月26日に脾臓破裂による腹腔内出血で
脾臓全摘出手術をしました
病理検査結果は血管肉腫でした
大動脈狭窄症という心臓病を患っており
それに対する投薬や点滴などの治療は一切行わず
健康犬と同じ過ごし方をしてきました
がしかし
やはり抗がん剤治療へはすぐには踏み切れず
今現在獣医師が一生懸命来夢に合った治療方法探してくださっています
抗がん剤治療は心臓への負担があるため
癌に強い獣医師と
主治医でもある心臓に強い獣医師が話し合い
来夢に合う治療プランを立て
出来次第連絡を頂けるという
3月10日の診療でした
2月26日 脾臓全摘出手術
27日 26.65kg
3月 1日 26.5kg
10日 25.8kg
12日 25.5kg
手術してからお散歩は一切行っていないにも関わらず
体重が減少方向でしたので
カロリー摂取を増やすようにと指導を頂き
11日から1,085kcal⇒1,365kcalへ増加しました
私は1日おきに計測していきます
大動脈狭窄症という心臓への負担を極力下げ
血管肉腫の癌細胞の活動を出来るだけ最大に抑制させれるという治療方法はございますでしょうか?
ご多忙の中誠に恐縮ではございますが
ご検討していただきご回答をしていただきますよう
宜しくお願い申し上げます
血管肉腫と診断された場合一般的にかなり予後の悪いことが予想されます。大動脈狭窄症の度合いにもよりますが、それほど悪い状態でなければ心臓は注意して経過観察をしつつ、積極的にガン治療を行うことが検討されると思います。ただ抗がん剤を使ったとしてもなかなか永く生きられる訳ではなく、再発する可能性は極めて高い疾患です。当院では緩和ケアとして、抗がん剤の他に消炎剤や自己免疫を高めるサプリメントなど使っていくことが多いです。
主治医の先生がしっかり検討して治療方針を提示くださると思いますので、納得いく治療を愛犬のためにやってあげてください。ご家族みんなが愛犬と楽しい時間を長く過ごせるようお祈り申し上げます。
突然のコメント失礼します。
一年前に脾臓に血管肉腫が出来、手術で取りました。
その後は抗がん剤治療はせずに来ましたが一年経った今、リンパで数個影見つかり再発の可能性があると診断されました。
細胞が取れず確定診断ではありませんがおそらく間違いないでしょう、とのことでした。
最初の場合は特に厳しく、抗がん剤治療しても完治はしないと言われ、何もしないよりは数ヶ月長生き出来るかもしれないし治療途中になってしまう可能性もあるがやってみる価値はあると思うと言われました。
が、14歳と高齢であること、肝臓の数値が高い(肝機能は問題なし、過去2回肝炎を起こし点滴治療しました)ことなどを考えると治療に踏み切れずにいます。
抗がん剤治療を行なった場合のメリットデメリット
行わなかった場合のメリットデメリット
それぞれ今後の予想出来る範囲の辿る道などお話し聞かせたいただけたらと思いました。
どうぞよろしくお願い致します。
こまめさん、コメントありがとうございます。脾臓の血管肉腫摘出後すでに1年生存できていること自体とてもすごいことで、主治医の先生の早期発見・早期治療のたまものだと思います。ほんとに血管肉腫は1年生存率が10%程度ですので良い経過と捉えていいと思います。ただ必ず再発する腫瘍だと思いますので、これも初期の転移・再発ととらえて抗がん剤を積極的に使うことも考えられますし、既往歴や現在の本人の状態を考慮して今で通りの緩和治療を継続することも考えられます。
抗がん剤を使った場合のメリットとしては、効果を示せば腫瘍による症状を緩和できますし、生存期間を延ばせることにつながっていくかもしれません。デメリットは抗がん剤による副作用(消化器症状や骨髄抑制など)が大なり小なり出ることが予想されます。全く症状に表れないこともありますが。抗がん剤を行わなかった場合はその逆を考えれば良いと思います。
血管肉腫は基本的には完治する腫瘍ではありません。抗がん剤を使用しても最後は肝臓、リンパ節、肺などに転移してくるとこが予想されます。なかなかできることが限られてくるのでしっかりかかりつけの先生と相談をして納得できる治療を見つけていくと良いと思います。こまめさんが愛犬のために考えてどんな選択をしたとしても、絶対に間違いではありませんので最後まで寄り添ってあげて下さい。
※本人の状態を診察したわけではありませんので参考程度にとらえて下さい。何卒よろしくお願いいたします。