犬の腹壁ヘルニアとは、お腹を内張している腹膜の欠損孔から腹腔内の脂肪や臓器が飛び出している状態をいいます。先天的なものや手術の合併症などが原因で起こります。飛び出しているものが腸管などの臓器であった場合には緊急性が高くなることもあります。
本症例は他院にて避妊手術をした後から膨れ始めて、1つだったのが最近2つになったとのことでした。
(頭側←) (→尾側)
治療は手術による整復と腹膜の閉鎖です。ヘルニアしているものは腹腔内の脂肪のみでした。丁寧に周囲をトリミングし、瘢痕化した腹膜を新鮮創にして縫合し閉鎖します。
特に大きな問題はなく2週間後にはきれいに治癒していました。
気になることがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします。
ご相談させて下さい。
我が家の15歳のMダックスも腹壁ヘルニアとの診断を受けました。
血小板減少症でステロイドを服用していますが、その影響で4年前に避妊手術し縫合した所の筋肉が薄くなってきていると…
免疫抑制剤に切り替えてオペは様子みてと言われましたが、すぐにオペしなくても大丈夫でしょうか。年齢もあるので全身麻酔は怖いのですが、腸管がで出来てしまってからでは遅いような…
免疫抑制剤に切り替えてヘルニアが現状維持できますか?
こんにちは。コメントありがとうございます。
愛犬のダックスフンドちゃんが腹壁ヘルニアとのことですね。本人の状態をみていないので参考までにお願いします。
程度にもよると思いますが脂肪のみの脱出の場合は命に関わることはありません。年齢や血小板減少症のことを考えると積極的には手術は進めづらい状況なのかなと思います。ヘルニア部がどんどん大きくなっているのであれば検討が必要ですが….。ステロイドから免疫抑制剤へ切り替えることで筋肉の萎縮作用はなくなるので、ヘルニアの進行予防は期待できると思います。
かかりつけさんとしっかり相談し、要注意で経過観察しつつ、腸管の脱出が生じるようであれば適切に処置を進めれるよう準備をしておくことが大事だと思います。
元気に健康な時間を過ごせるよう願っております。よろしくお願いいたします。
東之薗先生、
ご丁寧にお返事ありがとうございます。
少し安心しました。