症例は8歳のトイプードルです。おでこにできものがあるとのことで来院されました。
身体検査にて頭頂部に1.5㎝大の皮膚腫瘤が確認できました。細胞診検査では、異型性の少ない上皮系細胞集塊が採取されました。
臨床診断：頭部皮膚腫瘤、良性病変を疑う
外科的切除を実施していきました。良性病変疑いなので、切除マージンは最低限としました。
病理組織診断：毛芽腫 Trichoblastoma
毛包由来の良性腫瘍です。この腫瘍は頭頚部に好発することが知られています。脈管内の浸潤もなく、完全切除されているので切除後の予後は良好です。
腫瘤を切除する場合に大事なことは、そのできものが良いものなのか悪いものなのかを前もって予想・判定しておくことです。良性であれば過度に大きく取ることは必要ないですし、悪性であればしっかり計画して切除マージンを確保していくことが必要となります。
愛犬・愛猫ちゃんに気になるできものを見つけたときはいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします。