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犬の皮膚肥満細胞腫(腰背部)

症例は5歳のジャックラッセルテリアです。お尻のとこにできたしこりを主訴に来院されました。

身体検査にて腰背部に大きさ1.5cm大のピンクの腫瘤が認められました。腫瘤を触ると痛がるような仕草も認められました。針細胞診検査にて多数の肥満細胞が採取されました。

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診断:皮膚肥満細胞腫

肥満細胞腫は犬の皮膚にできる腫瘍では最も発生頻度が高く、多くは真皮や皮下組織に発生します。腫瘍の形態は様々で、硬結した隆起病変から軟らかく境界不明瞭な腫瘍まで多様です。臨床的な挙動も多様で、成長が遅く緩やかな経過を示すものから急速に増大し転移する悪性度の高いものまで幅広くみられます。転移は主にリンパ行性で所属のリンパ節を経て、肝臓や脾臓などの内臓に浸潤していきます。腫瘍の悪性度のグレード分類は摘出組織の病理検査にて判断していきます。

この腫瘍の特徴の一つとして、腫瘍細胞に含まれるヒスタミンやヘパリンといった物質に起因して腫瘍周囲皮膚の浮腫や紅斑(ダリエ兆候)を起こしたり、胃十二指腸潰瘍などを引き起こすことがあります。

 

本症例も飼い主様と相談し早期外科的切除を実施していきました。切除縁に腫瘍が残らないように余裕をもって正常な組織ごと切除します。

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病理組織学的検査:皮膚の肥満細胞腫(Patnaikグレード2/Kiupel低悪性度)、マージンクリアー

低悪性度の肥満細胞腫は外科的完全切除の予後は良好です。定期的な身体検査は必要ですが特に術後の治療は必要ありません。術後の治癒も特に問題ありませんでした。

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皮膚の腫瘍は多様であり、今回のように外科的切除にて完治ができるものもあります。愛犬愛猫ちゃんにできものを見つけたらお気軽にご相談ください。まずは診断することが重要です!取らなきゃいけないものなのか、残しといても大丈夫なのかを判断していきます。

よろしくお願い致します!!