症例は14歳のポメラニアンです。
皮下にある精巣腫瘍が大きくなってきたとのことで来院。身体検査にて、右側皮下に腫大した精巣および、陰嚢内に萎縮した左側の精巣が確認できました。
高齢ではありましたが全身麻酔に注意して手術を実施していきました。腫瘍性疾患が疑われるため、総鞘膜に包まれたまま摘出していきます。
右側の腫大した精巣は左の3-4倍になっていました。
病理検査結果は、間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)でした。脈管内浸潤はなく、総鞘膜や精管への浸潤性は認められないため予後は良好と考えられます。
変わったこと気になることがあればいつでもご相談ください!!よろしくお願い致します。
こんにちは。
精巣の細胞について勉強している学生です。
ライディッヒ細胞腫の場合、ライディッヒ細胞の数自体は増加しますか?その場合、テストステロン濃度も増加し、発情が長い多くなってしまうことも考えられますか?
包原吹雪さま
コメントありがとうございます。ライディッヒ細胞が腫瘍化したものになりますので細胞数自体は増加すると思います。テストステロン濃度に関しては腫瘍化した方からは増加するでしょうがもう片方は萎縮する傾向になるのでトータルしてどうかは個体差によりけりかと思います。基本的に高齢の去勢をしていない個体に発生しますので、元々あるマーキングやマウンテイング行動などは大きく変化しないかもしれません。また、ゆっくり進行していく良性の腫瘍なので症状の変化に関しても、精巣の腫大以外は気づきづらいと思います。
臨床の現場では、実際にホルモンの濃度を測定しているわけではありませんので一つの参考意見ととらえて下さい。答えになっていれば幸いです。よろしくお願いいたします。
お返事ありがとうございます。とても参考になりました。
今後の彩り動物病院の関係者様方並びに来院される患畜(わんちゃん、ねこちゃん等)に飼い主の方々の健康と発展をお祈り申し上げます。