症例は17歳の長毛の猫ちゃんです。
お尻にできたできものから出血してくるとのことで来院されました。臀部の皮膚にできた大きさ5cm大の腫瘤を認め、一部自壊し出血・排膿が認められました。出血量も多いため、身体的にも貧血傾向になっていました。
高齢でもあり、腎機能も懸念されましたが、放っておくと出血多量で危険な状況になってしまうため、十分に麻酔に注意し手術を実施していきました。できるだけスピーディーに切除、止血、縫合を行い麻酔が短時間ですむように配慮していきました。
病理検査:皮膚血管肉腫
猫の皮膚に発生する血管肉腫は転移率は犬に比べて低いですが、局所再発が高いと言われています。外科的マージンは確保して切除できていますが、定期的な経過観察が必要となります。
術後はスムーズに回復し、貧血も改善していきました。2週間後の抜糸時には元気な姿を見せてくれました。
高齢での手術となりましたが、悪性腫瘍の摘出、出血のコントロールができたことは今後の生活を考えるととても大きいストレスから解放できたと思います!!
変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします。