今回は雌犬の避妊手術の際に摘出する卵巣・子宮についてのお話です。
本院では避妊手術の際には卵巣と子宮の全摘出を実施しております。避妊手術をすることによって、発情のストレスからの解放や高齢になってからの乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気の発症予防になり、大きなメリットを得ることができます。
〇正常な子の卵巣・子宮の画像です。
〇肥満の子の卵巣・子宮です。子宮に付着する脂肪がとても多く確認できます。手術はやりづらくなります。
〇子宮水腫の症例です。子宮が拡張し、中に水が溜まっています。
〇子宮蓄膿症の症例です。子宮内で起こる重度の細菌感染で中には膿が溜まっています。お腹の中でパンパンに腫脹し、破裂すると命に関わってきます。症例により、子宮がとぐろを巻いた状態や、20㎝以上に腫大した状態など様々です。
このように卵巣・子宮は発情周期により、あるいは病気の状態によりさまざまに変化している臓器です。その子その子の状態を把握し、緊急手術が必要なのか、予定手術でしっかり準備をしてやっていくのか、より安全でリスクの少ない手術を心がけていきます。
変わったこと、気になることがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします。