症例は6歳のサバ白の猫ちゃんです。
他院にて1年くらい治療している皮膚病が良くならないとのことで来院されました。猫ちゃん本人も気になるのか、ずっと舐めているとのことでした。身体検査にて、右の大腿部皮膚に発赤とびらん病変が認められました。表面のスタンプ検査を行うと、通常では認められない肥満細胞が多数認められました。細菌や炎症細胞も認められたため、まずは抗生剤や消炎剤にて内科治療を実施しました。
しかし、多少はキレイになるが完治するには至りません。再度のスタンプ検査でも大量の肥満細胞が認められました。
病名は猫の肥満細胞腫疑いです。治療および確定診断は、外科的な完全切除および病理検査にて行います。本症例も早期に外科的切除を実施していきました。
術後は1泊の入院で元気に退院できました。
病理検査結果はやはり猫の皮膚肥満細胞腫でした。病巣は完全切除されており予後は良好と考えられますとの結果です。
今回の症例は内科治療に反応しない皮膚病で、腫瘤を作らない珍しい肥満細胞腫の症例でした。治らないのには必ず理由があります!原因追及のための検査をして診断し、それに対してしっかり治療することが大切ですね。
変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします。