症例は11歳のミニチュアピンシャーです。
まぶたが腫れたとの主訴で来院されました。初めは右眼上眼瞼だけの発赤・腫脹だけでしたので麦粒腫を疑い抗生物質の内服薬による治療をしました。ところが数日経つと左眼にも症状が出てきて掻いているとの経過が認められました。
写真(右眼/左眼)では、両眼、上下ともに眼瞼の発赤・腫脹が認められます。
診断:眼瞼縁炎
すべての眼瞼全体に症状が認められていて、原因の多くは自己免疫の異常によるものが考えられます。
本症例もステロイドの内服薬を使用していきました。初めの多い用量ではすっきり良くなりますが、漸減していく過程で再び腫れて痒みが出てしまいました。ステロイド薬は副作用の兼ね合いで高用量の長期的使用は避けていきますので、シクロスポリンという免疫調節剤を併用することにしました。
約1ヶ月半の治療でキレイに良くなり、その後再発は認められませんでした。
通常の治療に反応が悪い眼瞼炎は免疫絡みの場合もあります。愛犬・愛猫ちゃんの眼の異常があればいつでもご相談ください。
セカンドオピニオンも受け付けております。よろしくお願い致します。