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犬の指にできた爪床角化棘細胞腫

症例は14歳のダックスフンドです。右前足の爪の所を痛がるとのことで来院されました。

身体検査にて、右前肢の第2指先端が赤く腫れており、疼痛も顕著に認められました。レントゲン検査にて、右前肢第2指部の軟部組織の腫脹と、末節骨および中節骨1/2辺りまでの骨融解および骨増成所見が認められました。

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骨を破壊するタイプの腫瘍は悪性のことが多いです。外科的切除を実施していきました。

 

断指を実施しました。指先から第2関節まで(=末節~中節骨まで)を切除しました。指先は血管が豊富で出血も多いため、電気メスを使用し出血コントロールを丁寧に行なっていきました。

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術後は指3本となります。疼痛管理を1日入院し、退院できました。

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病理検査:爪床角化棘細胞腫

骨は病巣の拡大により圧排性に破壊されていましたが、脈管内浸潤はなく外科マージンもクリアーでした。爪床上皮由来の良性腫瘍ですが、骨を破壊することもあり痛みも伴うことが多いです。また、悪性の扁平上皮癌に転化することも報告されているようです。

 

自宅に帰ってからはその日から元気に走り回っていたとのことでした。念のため定期的な経過観察は必要ですが、予後は良好と考えられます。悪性転化する前に摘出できて良かったです!!

愛犬・愛猫ちゃんに気になるできものがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします!