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犬の膀胱結石(尿酸アンモニウム結石)、精巣炎

5歳の未去勢雄のブルドッグです。数日前から尿の出が悪く、左の睾丸が腫れているとのことで来院されました。

尿酸アンモニウム結石/結晶により間欠的に尿が出づらく定期的に膀胱内洗浄を行なっていた症例です。エコー検査にて、レントゲンに写らない大きさ2cm大の結石と前立腺の腫大が確認されました。また同時に、左の精巣が通常の2倍程に腫大し、痛みも伴っている状態でした。尿検査では細菌感染所見が認められました。

〔肉眼所見〕左の精巣が右側と比べて明らかに腫大していることが確認出来ます。

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〔エコー所見〕前立腺の腫大、膀胱内に半円状に白く反射している結石陰影(下部は音響陰影により黒くシャドーを呈しています)が確認されます。

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臨床診断:膀胱結石(尿酸アンモニウム結石疑い)、細菌性精巣炎・前立腺炎・膀胱炎

 

本症例は早めに手術を実施していきました。始めに尿道カテーテルを設置し、膀胱内の尿量をコントロールします。

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開腹して膀胱内にアプローチし小切開を加えて膀胱結石を摘出しました。摘出後は粘膜が内反して糸が隠れるように2層縫合で閉鎖しました。

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次に去勢手術を実施しました。左側の腫大した精巣と右側の精巣を摘出しました。

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術後は尿道カテーテルを2日間入れっぱなしにして膀胱に負担がかからないよう対処していきました。

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カテーテル抜去後、自力で排尿ができたことを確認し退院としました。

 

結石分析:尿酸アンモニウム結石

病理診断:壊死性精巣炎

 

術後2年以上経ちますがフードの管理をしっかり行なっていることもあり、あれだけ繰り返していた排尿障害も起きなくなりました。精巣の方も腫瘍性疾患ではないため摘出後の予後は良好です。

愛犬・愛猫ちゃんに変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします。