IMG_3897

犬の角膜潰瘍

症例は12歳トイプードルです。

目をしょぼしょぼしていて元気がないとのことで来院されました。身体検査にて、両眼の充血、しょぼつき、黄色の眼脂が認められました。スリットランプ検査にて、角膜に重度の潰瘍病変が認められました。特に右眼の角膜中央部のえぐれ方は辺縁が溶けているような状態で、いつ眼に穴が空いても(穿孔しても)おかしくない状況でした。

〔右眼〕

IMG_3897 IMG_3899

〔左眼〕

IMG_3898

診断:両眼の融解性角膜潰瘍

細菌がもつコラゲナーゼにより、角膜が急速に融解して潰瘍がどんどん広がっていきます。治療が遅れると穿孔し、目が潰れてしまうリスクもあります。

 

治療は積極的な感染ケアと角膜保護が必要です。点眼および内服薬にて抗生物質を使用し、ヒアルロン酸点眼による角膜保護を頻回に行なってもらいました。1週間程で眼脂や充血は落ち着き、目も開くようになりました。角膜の潰瘍部も縮小し改善に向かっていきました。

 

愛犬・愛猫ちゃんにしょぼつきや充血がみられたらいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします。