症例は12歳のラブラドールレトリバーです。
定期検診の際に超音波検査にて脾臓に大きさ3cmの腫瘤が認められました。脾臓のできものですので大型犬の場合は悪性腫瘍の可能性が比較的高い事が知られています。また、脾臓の腫瘤は血流が豊富で、破裂してしまうとお腹の中で出血し命に関わる重大な状態を引き起こすこともあります。
臨床診断：脾臓の腫瘤
本症例は早期に外科的切除を実施していくこととしました。
腹部正中切開でアプローチし、脾臓を丁寧に体腔外へ引っ張りだし、腫瘤を確認し、脾臓まるごと摘出します。ソノサージという血管シーリングシステムを使用し、出入りする血管を処理していきました。
出血がないことを確認し閉腹し終了しました。
術後の回復は問題なく翌日には退院できました。
病理診断：脾臓の造血性結節性過形成
良性の非腫瘍性の結節性病変で、切除後の予後は良好なものです。破裂のリスクもなくなり元気に生活できます！！本当によかったです。大型犬でも良性のことはあるのでしっかり対処することが大切ですね。
愛犬・愛猫ちゃんに変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします。