症例は12歳のシーズーです。
数か月前から左耳がえぐれてきているとのことで来院されました。身体検査にて、左耳の耳介が一部びらん、潰瘍、壊死を起こし一部欠損している状態でした。通常の皮膚炎などではなく、腫瘍などによる組織浸潤が疑われる状況でした。
飼い主様と相談し、外科的切除を実施していきました。かなり壊死が広範囲であったので、切除マージンを確保するには耳介部を丸ごと全部摘出する必要がありました。耳道は残るため聴覚などには影響はありません。
病理検査結果:皮膚の扁平上皮癌(マージンクリアー)
扁平上皮癌は表皮由来の悪性腫瘍です。遠隔転移は低いですが、強い局所浸潤を示す腫瘍になります。外科的には取り切れていますが、今後も定期的な経過観察を行っていく必要があります。
愛犬愛猫ちゃんに変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願い致します。