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症例紹介 犬の脾臓血腫(良性腫瘍)、セミノーマ

症例は14歳のマルチーズです。

1ヶ月前からのふらつきと元気・食欲の低下、ここ2-3日の体調悪化を主訴に来院されました。各種検査にて、僧帽弁閉鎖不全症や右精巣の腫瘍化、中等度の貧血、そして脾臓から発生する巨大な腫瘤が認められました。

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最も急を要するのは脾臓の腫瘤であり、腹腔内で破裂して出血するリスクを秘めています。良性であれ、悪性であれまずはこの爆弾を取り除くために、診断をするために、外科的摘出が必要となります。本症例はこのままお預かりし、十分に麻酔に注意を払いながら、脾臓の摘出(腫瘤と一緒に)と精巣(腫瘍)の摘出を実施していきました。

 

脾臓から発生する腫瘤には大網というおなかの中の膜が被さって癒着をしており、何度が腫瘤が破裂して出血したことが示唆されました。大網という膜はおなかの中で炎症や出血が起きた際にそこに張り付いて修復しようとする作用を持っています。脾臓に出入りする血管を処理し腫瘤ごと摘出しました。精巣は右側が腫瘍化しており左側の2-3倍になっていました。総漿膜という膜に包まれたまま摘出していきます。

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術後は大きな問題もなく回復し、3日目には退院できました。

病理検査結果は、脾臓は血腫という良性のできものであり、精巣はセミノーマ(マージンクリアー)でした。どちらも再発の可能性は少ないため予後は良好と考えられます。

 

脾臓の腫瘍は約6割は悪性といわれていますが、今回は取っておしまいの良性のできものでした。良性でも破裂して出血すると命に関わるものになりますので早期発見・早期治療が重要ですね!!

高齢でもあるため定期的な健康診断は続けていましょう。変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします。