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症例紹介 犬の脾臓血管肉腫(多発性)

症例は15歳のジャックラッセルテリアです。

散歩の後に急に倒れて元気がなくなったとのことで来院されました。さらに意識がなくなってけいれんなどの症状もみられました。各種検査にて、可視粘膜の蒼白、重度の貧血および腹腔内の出血所見と脾臓に多発するできものが確認されました。

診断:脾臓腫瘍からの腹腔内出血

高齢でもありリスクもありますがこの危険な状況をどうにかするためには出血点となっている脾臓腫瘍を摘出するしかありません。本症例もこのままお預かりし、緊急手術を実施していきました。開腹すると腹腔内の出血と脾臓の多発性腫瘍を確認しました。脾臓はかなりもろくなっているためゆっくりと体腔外に牽引し、出入りする血管を処理していき、腫瘍ごと脾臓を摘出しました。

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脾臓の腫瘍の一つがパックリ破裂しておりここが出血点と考えられました。出血が増えてこないこと、血圧が安定していることを確認し、閉腹して終了としました。

術後はスムーズに開腹し、けいれんも倒れることもなく、3日目には退院できました。

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病理検査結果は悪性腫瘍の“血管肉腫”でした。この腫瘍は肺や心臓、肝臓などの臓器に高率に転移するため慎重なフォローアップが必要となりますとのことでした。

 

一度は元気に生活できますが、数ヶ月単位で再度転移、再発、出血を起こす可能性が高いものとなります。なかなかやれることが限られてしまいますが病院で助けになれることがあれば何でもご相談ください。ご家族と少しでも長く、1日1日大切に時間を過ごしてもらえるようフォローしていきますのでよろしくお願いします。