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症例紹介 猫の直腸腺癌

症例は14歳の日本猫ちゃんです。

ここ2-3日便をしようとふんばっているが出ず、食欲も落ちて吐くようになったとのことで来院されました。血液検査やレントゲン検査では異常は認められませんでした。直腸検査にて、肛門から入って約5㎝のとこの腸管が、全周でボコボコと触れ、リング状に狭窄していました。腫瘍や炎症などによる直腸狭窄が考えられるため、まずは内科的に下剤や消炎剤、消化管運動亢進剤を使用しました。

約1ヶ月みていきましたがやはり便は出ずらく食欲も落ちており体重も減ってきていましたので、外科的切除を実施していきました。

 

手術は肛門から腸管を反転させて病変部位を切除する直腸全層プルスル―術を実施していきました。この手術の良い点はお腹を開けずに済むため体に対する侵襲性が低く、術後の回復がスムーズであることが挙げられます。

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直腸を反転させて引っ張り出し、病変部位をしっかり露出させて余裕をもって切除していきました。後は切った腸管同士を丁寧に縫合していきます。牽引して手術を行っておりますので、縫合した腸管は自然と肛門内に収まります。見た目は手術前とほとんど変わりません。

(手術前)            (手術後)

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摘出した組織は腸管粘膜が潰瘍化して固く肥厚していました。病理検査を行ったところ、悪性の直腸腺癌でした。完全切除はできているが脈管内浸潤が認められるため、再発や転移に注意が必要との結果でした。

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術後次の日から元気食欲はあり、2日目には退院できました。

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手術から1か月後には元気も食欲も回復し肉付きも良くなってきて、便も形あるしっかりしたものが1日に3-4回出ているとのお言葉をいただいております。

 

今回の症例は比較的珍しい悪性度の高い猫の直腸腺癌でした。早期手術により腫瘍はとり切れてはいるが、今後は再発や転移がないか注意して経過観察していくこととなります。

変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いいたします。