症例は8歳の猫ちゃんです。
お腹のしこりを主訴に来院されました。各種検査にて右側の第3および第4乳腺部に大きさ1-2㎝大の乳腺腫瘍が1つずつ見つかりました。レントゲン検査では肺への転移所見などは見当たりませんでした。
猫ちゃんの乳腺腫瘍は犬のものとは違って小さくても悪性度の高い腫瘍であることが多いです。そのため小さくても広範囲のマージンを確保して切除していくことが奨められます。
本症例も飼い主様と相談の上、右側全部の乳腺をしこりと一緒に切除することとしました。
(術前)
(術後)
術後、次の日には退院しました。
病理検査結果では、やはり悪性の乳腺がんでした。完全切除はできているが再発や転移に注意が必要とのことでした。
術後約4ヶ月で反対の左側の最後乳腺に腫脹が認められ、再度外科的切除を実施しました。病理検査結果では乳腺の過形成、乳管拡張、および脂肪腫との結果で、良性の病変のみでした。再発・転移を疑う所見はなしとのことです。
現在、元気・食欲共に良好に経過しています。体格も手術前よりしっかりしてたくましくなりました!!
今後も定期的な検診を行っていき、経過観察をしていくこととなります。
変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願い致します。