症例は12歳のペキニーズです。
以前からできている指の間のできものを本人が気にしてなめたりかじったりして出血したり炎症をおこしてしまうので取りたいとのことで来院されました。できものは右後肢の第3-4趾間にできており、大きさは1.5-2.0㎝大でした。表面は炎症を起こし、ウェットな浸出液が認められました。
腫瘤はマージンを確保し切除し、指同士を合わせるような形で表面と裏面を縫合しました。
(手術前)
(手術後)
高齢で心臓病もある症例であったため、麻酔には十分注意を払いました。特に問題なく安定していました。
術後2-3日は食べが悪く点滴を実施しましたが、それ以降は問題なく元気に過ごせましたとのお言葉をいただいております。術部もほとんど気にする様子はなかったようです。
抜糸も特に問題なく、術創もキレイに治癒してくれました。できものの病理検査では、”アポクリン腺腫”という良性のできもので、完全切除OKという結果でした。
(抜糸時)
今回の症例は、慢性的にストレスとなっている指の間のできものでした。場所が場所だけに外科的なマージンは最小でしたが、病理検査で完全切除されており、良性のものという結果が得られたため、根治治療を行うことができました。2か月たった現在では、毛もすっかり生えそろい傷跡も全然わからないくらいになっています。なめたりかじったりなどの皮膚のストレスもフリーにできたことが、今後のQOLをあげる適切な処置だったと思います。
まだまだ12歳!これからも元気にストレスなく長生きしてほしいです。気になることがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします。