症例は10歳のノルウェージャン・フォレストキャットです。背中にあるできものがここ2週間くらいで目立つようになってきたとのことで来院されました。
身体検査にて、背部皮膚に1㎝大の球状の腫瘤性病変が認められました。
まずは針細胞診検査を実施します。異型性軽度の紡錘形細胞が多数採取され、島状集塊あるいは弧在性に採取されました。
臨床的には、良性の上皮系皮膚腫瘍疑いです。飼い主様と相談し、外科的切除を実施していきました。舟型に切開し腫瘤を確実に取りきれるようにマージンを確保しました。
短時間の麻酔処置で覚醒も問題ありませんでしたので日帰り手術となりました。
病理組織検査:毛芽腫(脈管内浸潤なし、マージンクリアー)
毛芽腫は毛包組織由来の良性腫瘍で、猫では頭部や体幹部に多く発生することが知られています。切除後の予後は良好です。
愛犬・愛猫ちゃんに気になるできものを見つけたらいつでもお気軽にご相談ください。よろしくお願い致します。