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犬の肛門嚢炎、破裂

犬や猫は肉食獣で、肛門の両脇(4時、8時の位置)に肛門嚢といったにおい袋の器官が存在します。この中に個体特有の匂いがする分泌液が入っており、肛門腺液と呼ばれたりします。

通常は排便時に肛門嚢が圧迫されて、うんちと一緒に排出されます。体質により内容物がネリ状、ペースト状、マスタード状に変性すると物理的に出づらくなったり、感染や炎症により出口が腫れてふさがってしまったりします。そうなってしまうと肛門腺液を分泌できず溜まり過ぎの状態となり、最終的に皮膚に穴が開いて破裂することになります。

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写真は右側肛門嚢が破裂し内部から血混じりの膿が排出された症例です。細菌感染と顕著な炎症が起こっていました。黒っぽく変色している皮膚は壊死しているため、この後一度脱落します。オゾン水による洗浄/消毒と抗生剤の内服薬にて治療します。

 

一度破裂を起こした症例は繰り返すことも多いため、定期的なチェックと溜まっていれば肛門腺搾りを行う必要があります。体質で出づらい個体は自宅での管理はなかなか難しいため、病院で診てもらう方がよいかもしれません。

愛犬・愛猫ちゃんに変わったことがあれば何でもお気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。