症例は1歳のMix猫です。右眼のしょぼつきと黄色い目ヤニを主訴に来院されました。
身体検査では右眼の充血・羞明・流涙・黄色眼脂の症状があり、スリットランプ検査にて角膜の外側9時領域に色素沈着および血管新生を確認しました。また、下眼瞼外側部の内反が認められ、周囲の被毛が角膜へ接触し刺激となっている状態が疑われました。
眼の下の皮膚を牽引して撮影すると内反して隠れていた正常な眼瞼が確認できました。
診断:右眼:下眼瞼内反、およびそれに伴う慢性角膜炎
根本解決をするために内反している眼瞼の矯正手術が必要となります。全身麻酔下にて、眼の状態および下眼瞼の内反度合いを確認し、皮膚を一部切除し、外側に牽引するように縫合しました。
術直後覚醒時の写真です。
手術から3週間たつ頃にはしっかり目は開いており充血も涙も目立たなくなっていました。
猫のまぶた(眼瞼)の内反は時々見られます。治らない眼の赤みやしょぼつき、角膜の傷や炎症がある場合は瞼をよく観察することが必要かもしれません。角膜のどの部分に病変があるのかは重要なヒントになるかもしれません。
愛犬・愛猫ちゃんの眼に変わったことがあれば何でもご相談ください!!よろしくお願いいたします。