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犬の皮膚腫瘤(皮膚形質細胞腫)

症例は11歳のMix犬です。左の後ろ足のところに赤いできものがあって、3週間前から少しずつ大きくなっているとのことで来院されました。

身体検査にて、左側大腿部外側皮膚に大きさ5ー6mm大の赤い腫瘤が認められました。

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当院ではこのようなできものを見つけた際は、まず無麻酔下にて針細胞診検査(細かい針を使って細胞を採取し、染色して顕微鏡で診る検査)を実施します。この検査によりこのできものが良性よりなのか悪性よりなのか、取らなきゃいけないのか残しといても大丈夫かをある程度判断し、治療の方向性を決めていきます。

本症例の細胞診検査では、異型性軽度の細胞が多数採取され、上皮系にも独立円形細胞にも見えます。

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良性よりの腫瘍と考えられますが、周囲に発赤を伴い炎症を起こしていたり、少しずつ大きくなっていることを踏まえ、飼い主様と相談し早期に外科的切除を実施していきました。腫瘤の直径を最低限の側方マージンとして確保し切除しました。

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全身麻酔下での処置でしたが、15-20分程度の短時間の麻酔で覚醒も問題ありませんでしたので、日帰り手術となりました。

 

病理検査結果:皮膚形質細胞腫(脈管内浸潤なし、マージンクリアー)

犬における皮膚形質細胞腫の多くは弧在性に発生し、良性の挙動を示し、完全切除による予後は良好です。

 

愛犬・愛猫ちゃんにできものを見つけたらまずは早めにご来院ください!確定診断は組織の病理検査にはなりますが、すぐにできる細胞診検査にてある程度の仮診断をしたうえで治療の方向性を相談していけたらと思います。よろしくお願い致します。