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犬の鼠径ヘルニア

症例は12歳未避妊♀のMixです。おまたのところがゴルフボールくらい膨らんでいるとの事で来院しました。

身体検査、レントゲン検査にて両側の鼠径部にお腹の中の脂肪が脱出している状態が疑われました。左側が特に大きく5-6cm大に腫脹していました。左側の同部位に液体貯留もあり炎症反応が疑われました。

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診断:両側鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは、内股部にある穴が先天的に大きく、通常出入りする動脈や静脈以外にお腹の中の脂肪や腸管、子宮や卵巣などがとびだしている状態(ヘルニア)をいいます。交通事故などの外的要因で後天的に起こることもあります。

 

本症例は脱出組織も多く、炎症も起こし始めているため早期に外科的整復を実施していきました。腹部にアプローチした際に、左の卵巣と子宮が鼠径部にヘルニアしている状態でした。丁寧に牽引し元の位置に戻し、通常通り卵巣と子宮を摘出した後、鼠径ヘルニアの整復を実施しました。とびだしている臓器はお腹の中に戻し、拡大している穴(鼠径輪)は非吸収糸ナイロンで縫縮しました。

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術後の回復は問題なく、元気に再発なく過ごしています。

 

臍・鼠径・会陰ヘルニアなどの病気は重症化する前に早めに対処することが大切だと思います。とびだしている臓器が絞扼し壊死したりすると治療が大変になります。

愛犬・愛猫の身体に膨らみを見つけたら早めにご相談下さい。よろしくお願いいたします!!