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犬の直腸腫瘤(腺腫)

症例は6歳のシェルティです。最近うんちの周りに血が付くとの主訴で来院されました。

身体検査や直腸検査では異常が特定できませんでした。内科療法をしても症状が続いていたため内視鏡検査を実施しました。

 

内視鏡で見られる消化管を全てチェックしていきました。食道・胃・十二指腸には明らかな異常所見はみられず、肛門から入って5-6cmの直腸に大きさ1cm大のポリープが認められました。

胃      

それぞれ組織を生検し、病理検査へ依頼しました。

病理診断:直腸腺腫疑い、胃及び十二指腸は軽度の炎症反応

 

腺腫は良性病変の可能性が考えられます。外科的切除により完治が望めるものになりますので、本症例は直腸粘膜引き抜き術(プルスルー術)を実施していきました。

肛門よりアプローチし直腸粘膜を約5-6cm引き出し、中を切り開き腫瘤の位置を確認して、切除・縫合を行っていきました。

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肛門より牽引して処置をしているため術後は奥に引き込まれ、外からの見た目は術前とほぼ変わりません。

〔術前〕

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〔術後〕

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病理検査:直腸腺腫、マージンクリアー

 

術後約1ヶ月程排便障害がみられましたが、それ以降は問題なく、血便もなくなり元気にストレスなく生活できるようになりました。切除して終わりの良性病変だったので良かったです!!

愛犬・愛猫ちゃんに変わったことがあればなんでもお気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。