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犬の脾臓のできもの(悪性)

症例は12歳のチワワちゃんです。

昨日様子が変で、急に倒れて同じ場所をぐるぐる回ったり、震えたりしていたとの主訴で来院されました。各種検査を行ったところ、脾臓から発生する5-6㎝大の腫瘤が見つかりました。

脾臓に発生する腫瘤は良性であれ、悪性であれ急性に出血を起こすリスクを秘めており、可能であれば外科的な摘出が推奨されます。本症例は腫瘤自体がかなり巨大で、いつ破裂してもおかしくない状況であったためすぐに手術を行っていきました。

 

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腫瘤は脾臓の大半を占めており、周囲組織とかなり強固に癒着を起こしていました。丁寧に癒着を剝がしていき脾臓とともに腫瘤を摘出ししました。出血がないことを確認し、手術終了としました。

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術後2日で退院できました。摘出組織は病理検査に供します。

 

10日後には元気・食欲ともに問題なく過ごせているとのことでした。

病理検査の結果としては脾臓のがん(紡錘形細胞肉腫)でした。再発や転移をするリスクが高いため、抗がん剤を1-2か月に1回使用して経過をみていくこととしました。

現在術後3ヶ月、副作用はたまに出ますが、元気も食欲あり良好な生活が送れています。がんの再発・転移を抑え、抗がん剤の副作用は少なく、できるだけストレスの少ない生活が送れるよう全力でサポートさせていただきます。

 

変わったことがあればいつでもご相談ください。よろしくお願いします。