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犬の子宮蓄膿症(破裂)

症例は3歳雌のスコッチテリアです。

飼い主様が帰宅したらぐったりして倒れていたとの主訴で来院されました。お腹にとても力が入っており明らかな疼痛を示していました。各種検査にて、子宮蓄膿症および腹腔内で破裂し重度の腹膜炎を起こしていると考えられました。

緊急手術です!!!

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開腹し、子宮の破裂点を閉鎖し、細菌感染の温床となっている卵巣および子宮を全摘出し、菌まみれになっているお腹の中をキレイに洗浄します。手術が無事に終わってもまだ安心はできません。体力が落ちないようにしっかり点滴をし、残っている細菌をやつけるためにしっかり抗生剤を使用し、全力で回復をサポートしていきます。

本症例は手術して2日後にはゴハンも食べ、散歩にも行けるくらい回復しました。素晴らしい回復力です!!術後5日で元気に退院していきました。本当によかったです。その後の経過も順調で、今では元気に公園を走り回っていますとのお言葉もいただいております。

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子宮蓄膿症は避妊をしていないわんちゃんに起こります。高齢になるにしたがって発症率が上がります。発情周期の黄体期(偽妊娠期)と呼ばれる時期、つまり発情出血からおよそ1-1.5ヶ月後に起こります。子宮内で細菌感染が起き、パンパンに腫大し、場合によっては破裂してお腹の中に菌がばらまかれ激しい腹膜炎をおこし、命の危険にさらされる病気です。この病気は避妊手術をすると100%防ぐことができます。予防的に避妊手術をすることで安全にリスクなく行うことができます。

今回は飼い主様が愛犬の異変に気付き、即座に連れてきていただき、すぐに手術・治療ができたことで回復もスムーズにいったと考えられます。いつもと変わったこと、気になることがあるときは何でもご相談ください!!どれだけ早く原因をみつけ、どれだけ早く適切な対処ができるかがどんな病気でも重要だと思います。